- 2022/04/07
- 仏の子ども 『満足の壺』
満足の壺
満足の壺
☆人は皆、心に「満足の壺」を持っています。人から優しくされたり認められたり大事にされたとき、この壺の中に「満足の蜜」がたまっていきます。そして、この壺が満足の蜜でいっぱいになり、蜜があふれこぼれだしたとき、人は「自立」を果たすことが出来ます。満足の壺が満足の蜜で満たされていなければ、大人になっても自立することが出来ません。子どもの満足の壺を満たす一番早い方法は、お父さんお母さんから大事にされることです。特にお母さんとの関わりが大きく影響します。
近年、保護者の方々の勤務形態の多様化によって保育時間(保育園等に預ける時間)が大幅に長くなりました。その分、親子で関わる時間が驚くほど少なくなっています。お母さん方も大変です。遅くまで仕事をし、心身ともに疲れた果てた体にむち打って、晩ご飯の支度・お風呂の用意・子どもの寝かしつけをしなければなりません。朝も早くから起床し、朝食の用意・出勤の準備、出勤時間に遅れないように保育園に送り届けなければなりません。しかし、子どもは親の思うようには行動してくれません。ついつい「早くしてよ。」「グズグズしないで。」と荒っぽいことばが飛び出してしまいます。子どもの心の「満足の壺」は満たされにくい状態です。
また、その状態に追い打ちを掛ける現象があります。スマホやゲームの爆発的な普及です。老若男女、いつでもどこでもスマホを操作しています。親子や家族が同じ時間・空間を過ごしていたとしても、大人がスマホの画面に夢中になっているあいだは、親子が関わっているとはいえません。お互いに目を見て話をしたり、ふれ合ってこそ関わっているといえます。ますます親子で関わる時間がなくなっています。
いま、子どもを取り巻く環境が大きく変わりつつある事を、私たち大人は充分に理解する必要があります。その上で、わが子と接する方法を考えていかなくてはなりません。「満足の壺」が満たされないと子どもの心は壊れてしまいます。子どもの心を壊さないためにも、子どもの心に「満足の蜜」を貯める努力をしなければなりません。人は「満足の壺」に貯まった「満足の蜜」の分量だけ自他の命を大切にでき、他人に優しくなれます。